返田の壱萬燈祭は、毎年３月最終土曜日の夜、地区の鎮守・返田神社の境内で獅子神楽と余興が奉納されます。 獅子神楽は、江戸期に信州から伝えられたと云われ、「小牧の舞・剣の舞・幣の舞・くるい」の４つが演じられています。

余興の演目は「鬼・鍾馗大神・医者と看護婦・鳥刺し・万才・おかめ」が伝わります。 「鬼」では、獅子が天下泰平の護符を守っていると、赤鬼・青鬼が現れてちょっかいを出し、護符を奪ってしまいます。 青鬼や胴布持ちは地区の子供たちが参加しています（スローシャッターで撮影）。

奪った護符を観客に見せびらかす赤鬼。 そこへ鍾馗大神が現れ、赤鬼から護符を取り返します。 赤鬼は激しく抵抗して（お互いに蹴り合ったりして）観客の笑いを誘っていました。 最後は鍾馗大神の刀でバッサリと斬られてしまい…。

鍾馗大神が立ち去ると、やぶ医者と看護婦が通りかかります。 倒れている赤鬼を見つけて、何やら怪しげな治療を施しますが…。 最後に看護婦が大きな注射器を打つと、さすがの赤鬼もたまらず飛び起きます。

余興の最後は「鳥刺し」です。 鳥もちの竿で捕まえた鳥を、花笠に隠してなかなか取り出そうとしない鳥刺し屋。 そのうち子供たちも加わって踊り始めます。 これらの芸能は、返田区芸能保存会の皆さんが継承しています。