金原のおびしゃは、かつては三宝様（1/13）・鬼子母神（1/28）・祖師大菩薩（2/8）で行われていましたが、これらは明治に廃止され、新たに三社神社のおびしゃ（毎年1/7）だけになりました。 毎年成人の日の明け方、本殿の扉が開かれ、夜が明けないうちに氏子の皆さんが参詣します。

境内に松薪や青竹を円錐状（高さ6m、周囲15m）に積み上げ、大篝を作ります。 午前６時、大篝に火が入ると、天高く炎が上がり、青竹がボンボンはぜて火の粉が舞い上がります。

大篝の火は悪疫を祓うとされ、集落の人々は御神酒を頂きながら炎に無病息災を祈ります。 この火にあたると一年間風邪をひかないと云われています。 炭は皆さんが持ち帰り、炬燵に入れたり入口に吊るして魔除けにします。

拝殿の裏手では御的神事が行われます。 竹で弓・矢・的を作り、その年に七五三を迎える男児が射手を務めます。 今は集落に子供がおらず、事実上中断していますが、代わりに古老が実演して見せてくれました。

弓射で農作の豊凶を占う神事は、県内各地で見られます。 この後、午前10時から、代々引き継がれた長箱を担ぎ棒で担ぎ、「つのーどう」（意味は不詳）の掛け声で神社に練り込み、おびしゃ当番の交代儀式が行われます。